エゾシカの個体数指数について

Date: Thu, 13 Jul 2006 12:20:59 +0900
○○さん、早速に原稿ありがとうございました。拝読させていただきます。
エゾシカの個体群管理について】一つだけ、2004年に個体数指数が減ったのは、実際に減ったと言う認識ではありません。これは測定誤差の可能性があると2005年当時から言っていて、翌年それを断言しました。
2005年の指数部会報告
「2004(平成16)年度のライトセンサス調査結果は、ユニット10を中心に顕著に減少しているが、2003(平成15)年度から2004(平成16)年度の自然死、捕獲数から見ても、個体数が激減している兆候はなく、過小評価していると見られる。このような過小評価は1994(平成6)年度にも見られ、推定法の改善が必要である。従って、今回は各年の発見効率の違いを補正する方法であるベイズ推計法により算出した。」
今年の修正文書

  • 平成17年度末エゾシカ個体数指数:90±25
  • 平成16年の個体数指数は過小評価の可能性があったため、暫定価65±30とした.しかし.平成17年に得られた統計値、平成16年のSPUE及び侵入防止柵(シカ柵)の影響を考慮した結果、平成16年の個体数指数も90±25であったと推定された。
  • 平成6年く1994年)や平成16年(2004年)で過小評価がみられたように、最尤法による指数の推定では年変動が大きいため、各年の発見効率を補正する方法であるペイズ推計法を用いた。
  • 平成17年の雌ジカ捕獲数は平成16年に引き続き高い水準を維持しているが、その効果が現れるのは18年以降である。

なお、ここでいうベイズ推計法とはMatsuda et al. (2002)の「個体群動態に誤差を考慮した方法」を修正したものです(Yamamura et al. 投稿寸前)。