ワシントン条約の象牙問題

Date: Mon, 26 Sep 2016 16:32:53 +0900
日本では連日、CITES象牙問題が大きく報道されています。

  1. この数年間で密猟、主に中国での密売が増えた。、ケニアで個体数が急減し、新たにケニアで8000牙を摘発【焼却】した
  2. 報道では密輸先が中国とは限定されていない。密猟が附属書II【輸出許可証が必要】で持続的利用を目指すジンバブエなどではなく附属書Iで輸出禁止しているケニアで行われているという説明もあまりない。
  3. そのうえで、中国が市場閉鎖を言っているのに日本だけが継続を主張して孤立しているという主張である。また、日本で自然環境研究センターが密売を教唆したという記事(東京新聞記事2016.1.12)もあるが、これは事実でないと聞いている。

私の意見

  • アフリカゾウの保護には二つの方法がある。市場を合法化して適正管理する方法と、禁猟にして資源価値自体をなくすことだ。どちらが有効かは一概に言えないが、前者のジンバブエと日本で特に現在問題はない。【】後者のケニアで密猟密輸密売が横行して機能せず、中国に流れている。後者の規制を強化するために市場閉鎖が提案されているが、前者でうまくいっている取り組みまでも否定するものである。
  • 生物多様性条約では、自然資源の価値(生態系サービス)が自然保護の論拠であり、持続可能な利用を推奨している。乱獲や密輸は取り締まるべきだが、そのために持続可能な利用の取り組みまでも否定すべきものではない。【】
  • しかし、ケニアなどからの密輸品を売買している中国が市場閉鎖をするのは、密猟と乱獲を阻むうえで有効かもしれない。その決断を尊重すべきである。だからと言って合法的に取引きしている日本が閉鎖する必要はない。【】
  • WWFジャパンの取引調査部門であるTraffic East Asia Japanによると、日本の象牙取引は縮小しつつある。【】

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