ヒグマとの共存:「仲間」でなく「恐れあうことで初めて共存できる」

松田Twitter 2019.12.6
ヒグマとどう共生するか:北海道新聞 どうしん電子版 「人とクマは仲間として共存」クマの駆除に反対する人の共通認識のようだ。結局、それが人を恐れないクマとクマを恐れない人を作り出してきた。

Twitter2019.12.6  知床のクマを追い詰めるカメラマンの至近距離撮影 - 松田裕之|論座 - 朝日新聞社の言論サイト 「人をクマは仲間として共存できない、互いに恐れ合うことで初めて共存できる。」共存を望む点では同じだが、根本的な認識の差がある。

twitter2019.12.6  「先住民の大地」を奪う「自然保護」とは 岩井雪乃著『ぼくの村がゾウに襲われるわけ。』 「彼らの中でも、ゾウのほうが先住民より大切だと言い切る人はごく少数だろう。では、著者自身が現地を見て変わっていったように、本書を読めば彼らは考えを変えるだろうか。そういう人も多いと思うが、そうでない人も少なからずいるように思う。」まずはご一読を勧めます。

朝日『論座』イルカショーと伊豆半島ジオパーク

標記拙文の補足です。

 

伊豆半島イルカ漁再開問題

Date: Tue, 12 Nov 2019 11:53:17 +0900

ある捕鯨学者によると…
 漁業としての追い込み漁は、大群を狭い港や入り江に一気に追い込むため、群れがパニックを起こして、実際の捕獲(水揚げ)頭数以上に動物が死んでいる、非捕獲個体を後から放獣してもストレスで死ぬ可能性が高い、などとの批判がある。
太地町や伊豆は、「生け捕りに特化した追い込み漁を行う」との方針をとる。
しかし,「日本の伝統的な漁業」というだけでは,理解されない。
(引用ここまで。要約文責松田)

 結局,欧米の水族館は飼育個体も含めて,イルカショー自体をやめる方向に向かうようだ。Seaworld記事
 菜食主義が日本で一向に流行しないように,国内では捕鯨反対の声は環境団体でもか弱い。しかし,「触らぬ神に祟りなし」ではなく,もう少し積極的な扱いをしてもよいかもしれない。
 動物愛護も,思想として未熟なのだと思います。(野生動物管理もですが)
・ノネコや餌付け猫では根本的な問題を引き起こしています。(松田書評
・札幌市街地のクマを捕殺すると全国から抗議が殺到します。(松田論座

Date: Wed, 20 Nov 2019 19:33:14 +0900
野生動物を利用してはいけない、というだけでは、問題は解決しないと思います。そして、イルカ追い込み漁自体も生け捕りに限るところがあるなど、過渡期にあります。イルカショーに限らず、捕獲した生体の需要はそれなりにあるそうです。

市民のクラウド資金の海洋放射能汚染調査が安心をもたらす。

全国行脚中のウッズホール海洋研究所のKen Buesseler博士の東大での公開講演会「Fukushima‐ a view from the ocean」を聞く。大いに参考になった。(1)原発事故後の放射線汚染レベルが下がっていることを述べるが、しっかり数字を言う。そして、自然の放射線水準と比較する。(2)米国政府はすでに低水準として調査していないが、市民がクラウド資金で調査を続けているのに協力している。政府が調べない理由は「無用な調査で混乱を招く」からではなく、「無用な調査に予算をかけることは納税者の理解を得られない」からだと思った。だから市民の自主的調査を妨げることはないし、彼のような科学者も進んで協力している。その姿勢が、安心を招くかもしれない。
いずれにしても、米国の海洋学者が事故直後から福島沖を調査し、日本の海洋学者とともに見解を述べていただくことで、科学的発信の信頼度を高めることができたと思う。大変ありがたい。

この水産庁グラフはKenも見せていました。国際的に情報を共有し、彼らにも使っていただくことに意義があると思います。

 ウッズホールが協力する市民が支える海面セシウム137濃度観測事業です。

Buesseller教授の講演動画がありました。

北海道ヒグマ保護管理検討会への意見

【】質問があります。

  1. クマは個体数が減っても、問題個体は対応せざるを得ない。その点でシカの個体群管理と異なる点はよくわかります。しかし、個体数が増えたときに、個体数調整をすべきではない(シカと事情が異なる)という論拠は何がありますか(社会が望んでいないというならば、それは一つの立派な答えです。それ以外にありましたら伺いたい)。
  2. 札幌を含む積丹恵庭が絶滅危惧個体群に指定されたままの対応をどうなさるつもりでしょうか。繰り返しになりますが、①絶滅危惧個体群であることを理由にできるだけ補殺しない、②環境省に絶滅危惧個体群解除の可能性を打診する、③環境省に特定希少鳥獣管理計画(第3種)の策定を打診する、④環境省から絶滅危惧指定のまま個体数調整してもよいという返答を得る(これが一番厄介だと思います)。この軸足はいつ定まるのでしょうか。

Date: Mon, 21 Oct 2019 09:26:51 +0900

  • もっと出没するようになれば、ごみ収集場の管理強化は近い将来必要だろうが、その不備が今日の事態を招いたわけではない。ごみ管理だけでは解決にはならない。
  • ちゃんと駆除しておけば、たとえ近くに来るクマがいたとしても、人の目に触れないようになるだろう。今はクマが人を避けなくなりつつある

 

鹿の「食害」の良しあしも、クマとの共存方法も、個体数次第

 Date: Fri, 11 Oct 2019 10:35:59 +0900 Facebook

シカの保護管理検討会として丹沢山を見せていただいた。以前は1枚目のような裸地が至る所にあったが,かなり植被率が改善していると感じた(丹沢全体がそうではない)。2枚目の堂平沢の堰堤がある沢も完全な裸地だったが,緑が戻っている(種が問題)。丹沢山一帯は1997年ころから植生保護柵を作り,丹沢では早くから対策を立てた場所という。古いものと新しいものが併設された保護柵も随所にあり,説明書きが微妙に違う。以前は「平地の開発で追い上げられた鹿による食害から」と書いてあった。その後,平地も山もシカがびっしり増え,私も検討委員に招かれた。当時,この「食害」という表現に,ある専門家から、シカの摂食は食害というべきではないというような異論がついたそうだ。たしかに、全くシカを排除した植生はむしろ不自然である。しかし、シカが過剰になってその「食害」で絶滅が危惧されたり、地域絶滅した植物は多い。丹沢では土壌侵食も進んでいた。シカが低密度であれば生態系過程の一部となる摂食も過密になれば食害になる。状況に応じ、解釈と表現は変わってよい。
 それはクマも同じだ。個体数が少なければ野生のクマは保護されるべきであり、人間の不適切な対応がなければ共存できる。しかし、過剰になれば、人間側に落ち度がなくても人間に無害とは言えない。クマ学者も、シカの経験から、そのことに気付いてほしいものだ。

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一部の風車に集中するオジロワシ衝突事例

午前10:01 · 2019年9月28日 Twitter

オジロワシがよくあたる風車は集中している。この度、苫前町の風車3基が撤去された(苫前町)。この施設の3基の風車だけで2015年までの発見死骸45羽のうち16羽以上が当たっている。撤去までに時間がかかったが、過去の経験から、衝突リスクは減らすことができる。

過去の衝突事例は「海ワシ類における風力発電施設に係るバードストライク防止策検討委託業務報告書」(H27年では資料6/6の資-40頁)にある。風車名は匿名だが、E-2とE-3にそれぞれ9羽と5羽【1羽は保護された】の衝突発見例があることがわかる。

その間、幸いにして、オジロワシ留鳥は増えているようだ。白木彩子さん「当初発見されなかった巣が後年の調査で確認された営巣地も多いと考えられるが、それでも増加傾向にある」という。

今後風車の数が増え、それに比例して衝突死も増え続ければ減少が危惧されるが、当たりやすい風車がわかれば、衝突数を抑えることができるだろう。本来なら民間負担でなく国策として、よく当たる風車の撤去予算を補助いただけるのが一番だと思う。風車と猛禽個体群は共存できる。