11.7 環境省推進費「矢原プロジェクト」現地報告会

 昨日、環境省推進費「矢原プロジェクト」現地報告会屋久島環境文化村センターで開催した。120名ほどの参加者が集まった。午後7時から9時までの予定だったが、司会の私が30分も時間を超過してしまった。それにもかかわらず、ほとんど途中で席を立つ人がいない。会場にマイクを向けるといろんな方がどんどん発言してくる。シカ問題の関心の高さを実感した。(以後、続く)

Date: Thu, 9 Nov 2006 08:09:16 +0900
皆様
7日の報告会ならびにその後の寺子屋での懇親会、段取りありがとうございました。寺子屋ではほとんど寝てしまって御免なさい。鹿肉、とってもおいしかったです。
 報告会で立澤さんが話した【ヤクシカの】3分割管理案、ならびに矢原さんが話した保全上重要な地域の整理ですが【】。矢原さんは 希少種が多く摂食圧が高い地域(立澤・松田の言う北東部)と 希少種が多く摂食圧が低い地域(南部)の両方の対策が必要で、前者が早急な対策が必要ということでしたが、個体数を減らすには、北東部だけでも雌成獣300頭以上の捕獲が必要かもしれません。これはすぐには達成できないように思います。むしろ、まず、最低限南部を守ることを考えるべきです。
 そのためには、現在の捕獲場所が西部に偏っているとすれば、西部は放棄して、南部と北東部に捕獲を集中すべきだと思います。(図では3地域の内部構造を考えていませんが、おそらく、集落ごと=川筋ごとに鹿の移動が制限されて、集落単位では捕獲数が達成できるところがあるかもしれません。よりきめ細かい目標設定も検討します) あるいは、西部で捕獲する分とは別に、北東部と南部でこれだけの捕獲数を確保することが必要だと思います。
 まだ私が得ている情報が断片的なので、西部、北東部、南部の個体数の比率を4:2:1程度、全体の個体数を7000-14000頭程度と仮定し、そのうち半分が雌成獣、個体数増加率を10-15%と仮定しての見積もりです。
 かなり厳しい数字だと思いますが、とりあえずこれを当面の目標として捕獲数を増やし続け、捕獲数と個体数指数(夜間ライトカウント=目視調査=でもおよそのことは可能)のより正確な情報が得られれば、より具体的な議論ができると思います。
 今の捕獲数よりはずっとふやさないといけないと思いますが、有効利用が軌道に乗り、行政も理解を示した保護管理計画策定の機運が数年程度で高まれば、決して不可能な数字ではないと思います。 北海道よりたやすいともいえるでしょう。
 また、単に捕るだけではなく、下草刈り、 農林業被害対策(柵)、 移動経路の制限、 防護柵の設置など、さまざまな対策と組み合わせていけばよいと思います。