松田裕之 「水産資源と河川生態系の順応的管理について」13:30-15:30
近年、自然再生事業では順応的管理が推奨される。順応的管理とは、未実証の前提に基づいて管理計画を立て、継続監視を続けながらその前提の妥当性を検証しつつ、状態変化に応じて管理手法を変える管理のことである。これは国際捕鯨委員会で発展した手法であり、今では水産資源に限らず、陸域水域問わず生態系管理に広く応用されている。本講演では、日本生態学会委員会が提案した自然再生事業指針に基づいて順応的管理の考え方を紹介するとともに、カワウ対策事業への応用例を提案する。
(参考情報)
松田裕之ほか28名(日本生態学会生態系管理専門委員会) (2005) 自然再生事業指針. 保全生態学研究. 10: 63-75
松田裕之・西川伸吾 (2007) 自然再生事業における十の助言と八つの戒め. 日本ベントス学会誌. 62:93-97.
松田裕之(講演)順応的管理の考え方: (財)リバーフロント整備センター/国土交通省第4回川の自然再生セミナー「順応的管理の技術と方法」, 東京, 2006年9月12日
松田裕之(2008) なぜ生態系を守るのか?環境問題への科学的な処方箋. やりなおしサイエンス講座 NTT出版