日本の既存のユネスコエコパーク、登録抹消の危機

Date: Fri, 09 Sep 2011 22:39:16 +0900
MAB【ユネスコ「人間と生物圏」計画】関係各位
 【6/28-7/1のドイツ・ドレスデンで開催された】MAB国際調整理事会において、新規登録等の決定のほかに、?2013年に終了するマドリッド行動計画までにセビリヤ戦略に適合しないBRをどのように扱うのか、?国際諮問委員会(International Advisory Committee for Biosphere Reserve/IACBR)とICCの設置規則の改定の2点などが話し合われたそうです。セビリヤ戦略に適合しないBRとは、?核心地域しか持たないケース、?BR内に人が居住していないケース、?地域の持続的発展戦略や包括的な管理計画を有していないケースなどだそうです。そして、研究や保護に偏ったpre-Seville sitesはsupport/study sitesというカテゴリーに組み入れWNBR(世界BRネットワーク)からは削除する方向で検討する旨、決定したそうです(第11回MAB国際調整委員会最終報告書の抜粋(25-26頁)http://www.unesco.org/new/fileadmin/MULTIMEDIA/HQ/SC/pdf/SC-11-CONF-202-11_E_Final-Report.pdf)。日本の4BRが別のカテゴリーに移行する対象になるかどうかは、今後検討が必要となります。
 【】繰り返しになりますが、日本のBRに移行地域が無いことはSeaBRnet(東南アジアBRネットワーク)でも名指しで指摘されているところです。既存のBRについて移行地域を設定するなど対処するには、各地域の地元市民、自治体、関係省庁の議論が必要です。

Date: Thu, 1 Sep 2011 18:46:36 +0900
屋久島科学委員及び事務局の皆様
 実は、屋久島も登録されているユネスコMAB(人間と生物圏)計画のBiosphere Reserve(生物圏【保存地域】、国内通称 ユネスコエコパーク)のことですが、今年6月のドレスデンでのMAB国際調整委員会において、【セビリヤ戦略に適合せず、自発的な取り下げも行わない・・・消極的なBRの扱いについてであるが、・・・研究や保護に偏ったpre-Seville sitesはsupport/study sitesというカテゴリーに組み入れWNBRからは削除する方向で検討する旨】決定された模様です。
 屋久島のBRは1980年に登録された古いBRであり、持続的利用を図る移行地域を定めていません。このままでは、再来年に登録抹消も含めた見直しが行われる恐れがあります。これは日本の既存の他のBRも同様です。
 屋久島の場合は世界遺産に登録されていますから、自発的に取り下げることも考えられますし、黙して抹消を待つ手もあるでしょう。しかし、屋久島として、利用と保全の調和を図るならば、世界遺産とMABの二重登録は、むしろ活用できることだと思います。
 現時点では、MABについて議論する場さえ地元にないというのが実情です。

Date: Fri, 9 Sep 2011 10:44:58 +0900
屋久島関係の皆さま
9月20日に韓国 新安多島海(Shinan Dadohae)で標記会合(EABRN)が開催されます。
私の使命はマドリッド行動計画(MAP)に即した島嶼BRの話題【発表】ということですので、屋久島の話にしました。プログラムと私の講演要旨(提出済み)、発表資料案を下記サイトに置きました【略】。 ご意見ご助言がありましたらお願いします。
 要するに、MABのMAPでは【】セビリア戦略(移行地域も含めたゾーニング)、国際的な活動交流、地域活動の活性化、研究者と実践者の協力、定期報告などが課せられていて、屋久島では世界遺産の活動でこれらはある程度行われている。COP10にも【】地域からも積極的に貢献したことを紹介します。しかし、BRという認識と体制が地元にほとんどない。それは必要かと問いかけ(P14)、鹿問題を例に、単に保護するだけでなく、人間が手を加える必要性があるから、MABの取り組みが必要であると論じるつもりです。ただし、BR活動を支えるには、地元の学校・教育委員会関係者が必要であり、世界遺産管理と連携する必要があるだろうと論じるつもりです。
 屋久島環境文化村構想のゾーニング(1992年)はBRセビリア戦略にぴったりです(P5)。しかし、1996年に屋久島でEABRNを開催しているにもかかわらず、この構想に沿った進展は、BRでも1993年に登録された世界遺産でも国立公園でもなかったようです(その辺の経緯は、全く知りません。誰が知っているかもわからない)。
 実際には、世界遺産管理でも持続的利用はできる(しかし、世界遺産の評価項目を見ても、利用することが遺産価値を高めるという項目はなかった)と思いますから、BR登録を取り下げるという選択肢もあり得るでしょう。それは今後の地元の議論になると思います。
 実際に、セビリア戦略に準拠しない(持続的利用のための移行地域がない)古いBRについては、登録抹消もあり得るし、取り下げたBRもあると、MAB国際調整委員会では議論されています。