どこまで本気? 水産資源管理あり方検討会

Date: Mon, 21 Apr 2014 15:00:49 +0900
 【以下の】感想を拝見しました。

全体的に、議論というよりも結果報告のような今回の検討会だったと思います。
IQ制度については、「できそうなものから取り組んでいくことで検討してはどうか」、というのが水産庁の意見だったと思います。ただし、「できそうなもの」の具体的な話にはならなかったのは残念。ホッコクアカエビの事例報告について少し議論があった後、時間が押していてスケトウダラの話になりました。
水産庁と全漁連はIQの導入に関してはやる気があると思いました。それにもかかわらず、学者の中にはIQ漁業導入に消極的な発言をする方もありました。いわゆる御用学者対規制改革派という筋書きならば、業界団体が認めることは御用学者も認めるはずですので、少し構図が異なっていて、聴衆も戸惑ったかもしれません。
 今回初めて出席した牧野委員は、IQ導入が望ましいのは漁業構造(漁具や漁法)が単純なものが良いだろうというオーストラリアの見解を示しました。またIQは数ある管理方法のひとつであることを強調しているように見えました。これも、やらない理由を探していると受け取られるかもしれませんが、他の管理手法をやめるのではなく、それらとIQの併用が重要だということを強調したのだと思います。
 どういった漁業・魚種にIQ導入を検討するのかは、この検討会に日程終了後に具体的な話し合いがあるのではないかと期待しています。

 南米では、沖合漁業にはIQを積極的に導入し、沿岸は零細漁業を保護していますが、日本独自の零細漁業の保護制度のあり方とセットで議論されるようなことは、あり方検討会ではまだされていません。
 日本でIQ本格導入するなら、零細漁業救済策とセットのはずです。それが議論されていないということは、関係者が誰も痛みを伴わないでやりたい漁業だけIQどうぞという程度のものでしょう。それでも一歩前進かもしれないが、私としては、やや期待外れです。零細漁業救済策をとればもっとできるはず。(そもそも、全漁連は零細漁業の味方ではないし、学者も、そこまで考えるなら、零細漁業保護策とのセットを自分から提案してほしい)