世界ジオパークに伊豆半島認定…再度の審査経て

Facebook 2018/4/18
 2015年の見送りの経緯は下記サイト議事概要の最後のほうを参照

知床世界遺産科学委員会海域WG議事概要(2016/2/27)
松田「これまでの経緯、【2015年】6月9日とありますが、ジオパークというのは、国内のジオパークのほか、世界ジオパークがあります。それは、この資料でいいますと、裏面の時系列の一番最初の11月3日から18日のユネスコ総会で正式なユネスコの事業になったということです。それまでは、ユネスコの支援事業であって、正式事業ではなかったのです。
 それを踏まえて、ごらんください。
 要するに、日本はイルカの追い込み漁をやっているではないか、そんなものはジオパークにふさわしくないなどという意見が出てきたということで、伊豆半島は、昨年、世界ジオパークにできませんでした。
 6月9日にジオパークの現地審査委員からユネスコ事務局長宛てに手紙を出すようにと言われていたのですが、これはおかしかったと思います。なぜかというと、8月14日のところを見るとわかりますように、そのころはユネスコの正式事業ではないので、ユネスコの方の返答は、ジオパークは、グローバル・ジオパーク・ネットワークがやっていることなので、そちらに転送したとあるのです。
 これがユネスコの事業であれば、本当に登録されなかったかどうかは別な話になると思います。
 グローバル・ジオパーク・ネットワークでは、いざこざがあるのは困るというのが率直な感想だと私は思っています。
 それで、どうなったかというと、7月3日のところを見ればわかりますが、伊豆半島の「いとう漁協」ではどう返答したかというと、自分たちはイルカ追い込み漁を十年来やっていないということです。ただ、?として、今後どうするかという話もあるので、世界ジオパークになるときにはイルカの追い込み漁はしませんという約束の前例をつくることはしませんでした。この辺はすごく妥当だと思います。どのような意見も排除すべきではないと書いて、むしろ、文化の多様性の継承はユネスコの役割ではないかと書いています。
 しかし、グローバル・ジオパーク・ネットワークの責任者、マッキーバーさんですが、この人自身は、9月19日のところに書いてありますが、ユネスコの地球科学減災課長を兼ねているのですが、結局、見送りました。ちゃんと約束しなかったらともとれるようになっております。
 ここに書かれていることは、2ページに参りまして、こちらは冒頭の部分だけを切り抜いてきたのですが、リコメンデーションズに二つあり、その内容を日本語で言うと、10月20日付のメールにあるように、一つは、地質学的な価値について、一つは、イルカ漁について、漁の頻度、将来的な展望、ジオパークとの関係などを聞きたいということで、しつこく求めてきて、結局、見送りになってしまったということです。
 このように、いろいろな外圧がかかってくると思います。
 世界遺産の場合には、例えば、クジラをやめると言ったら登録されるのではないかなんて議論が昔にあったかに聞いておりますけれども、それはこの地域として構わないということであっても、日本の政策に合致しないことは言えないということが出てくると思います。その辺のことも酌みながら、逆に言えば、日本政府としてはユネスコが変な決定を下さないようにやるという取り持ちの役割分担が必要になってくるのではないかという例として紹介させていただきました。