Date: Sat, 1 Dec 2018 10:57:35 +0900
片山知史著「水産政策の改革について」で資源は増大しない(アクアネット2018.8月号)の図2に【ある】「45度線」というのは間違いですね。この縦軸が「親世代が生涯を通じて将来に残す次世代の親魚量」(横軸と同じ)ならそれでよいが,1年あたりの加入尾数で,そうではありません。
図1も不正確ですね。【再生産曲線が】放物線でないといけないのに,原点で傾きが無限大になっている。これなら漁獲努力が過剰でもほとんど絶滅しないでしょう。
図2のグラフを環境変動を無視して描く人は,今はいないでしょう。みなバラツキの大きな散布図からこの関係を推定している。平衡状態を仮定しというのは古典的なMSYで,MSY自体が進化している。ただし,単一資源から多魚種管理(生態【系】アプローチの一部)に拡張していないし,理論的に拡張することは可能だが,その場合は種の共存を保証しないというのが松田(2018)のMSY批判です。【】古典的MSY論の批判だけなら,学術会議の生態系アプローチ声明だけで十分でしょう。