UNEPの人獣共通感染症報告書

Date: Thu, 16 Jul 2020 11:30:51 +0900

日本語紹介)UNEP、動物由来感染症*への対策怠れば今後の大規模感染続
くと警鐘。生態系と食料課題と密接
 国連環境計画(UNEP)と国際家畜研究所(ILRI)は7月6日、動物由来感
染症のヒトへの感染を防止するための実行的な政策を打たない限り、大規
模な感染症拡大は今後も繰り返されると警告するレポートを発表した。
英語サイト
国連環境計画(UNEP)と国際家畜研究所(ILRI)は7月6日、動物由来感染
症のヒトへの感染を防止するための実行的な政策を打たない限り、大規模
感染症拡大は今後も繰り返されると警告するレポートを発表した。(
語サイト

同レポートは、動物由来感染症が拡大している理由として7つを挙げた。

報告書全文英語は下記サイト
PREVENTING THE NEXT PANDEMIC:Zoonotic diseases and how to break
the chain of transmission UNEP report full text
https://wedocs.unep.org/bitstream/handle/20.500.11822/32316/ZP.pdf

この全文サイトにはConflictまたは獣害に類する記述がいくつかあります。
野生動物は減少して保護し、Peridomestic animalは増加して駆除すると単
純化しているのが気になりますが。

P14 「世界人口は1900年の約16億人から今日の約78億人に増加した。人々
に食糧を提供する家畜と、人が生み出した新しい環境で繁殖する害獣また
は「家畜周辺(peri-domestic)動物」(ラットなど)の数も並行して増加
した。一般に、これらの爆発する人間、家畜、害虫の個体群は野生生物の
個体数を減少させ、逆説的に人々、家畜、野生生物の間の接触が増加する
(より多くの人々がより少ない野生動物を縮小劣化した生態系で狩猟し、
世界中で人間と野生動物の軋轢が増す)」(仮訳)
松田: その次の段落で、過疎化等の問題に例外として触れています。世
界全般では野生動物が過疎地に侵入するのでなく、人間が野生動物生息地
に侵入することを問題にしています。シカ、クマ、オオタカはPeri-
domesticだと思うが、Wildlifeでもあります。保護か駆除か、単純に切り
分けられない。もちろん象も

P16 灌漑システムは、一部の動物【昆虫を含む】を介した人獣共通感染症
の拡大を促進します。生態系と野生生物の生息地の森林破壊と断片化は、
人間と家畜と野生動物の野外接触を促す。…生態観光や洞窟森林近くの居
住は【…昆虫ダニ等への暴露を増やす】。

野生動物肉の利用は南米とアフリカでは家畜家禽肉より多い(P31) 。

シカやイノシシはWild meat farming and ranchingにあります。「狩猟肉
は、世界中の地域の生計と食料安全保障にも大きく貢献しています」(P33)。
これらからの感染対策に注意すべきというのはその通りです(生肉厳禁)。
養鹿等でも要注意もその通り。これらをやめろとは書いていません。これ
らも獣害をもたらすのだが、WildlifeかPeridomesticかの定義が不明確と
思います。