市街地でヒグマ捕殺がやむを得ない理由

Date: Fri, 16 Aug 2019 05:48:18 +0900(一部改変)

 クマに出会わないために市民ができることは,札幌市のサイトが参考になります。

 今回のように農作物を荒らすクマが頻繁に札幌市街地に出没した場合,クマへの対策が必要というのは多くの方に理解されるだろうが、殺処分しかないという点は丁寧な説明が必要でしょう。

 その説明を私なりに考えて探してみました。より明解な説明や不完全な点や根拠サイト等がありましたら教えてください。

  1. 道総研サイトが詳しい。【「基本的には、ヒグマも人を避けて行動している」とあるが、これは段階0だけだろう。本当にクマ鈴で今後も大丈夫だろうか。まして,生け捕り放獣を増やせば段階2の野生熊が増えていく。】
  2. 生け捕り熊の引き取り手が少ないことは共同通信サイトが短くて比較的わかりやすい。しかし、もう少し数と経費の計算をしてもよい。1頭の飼育に1年あたり〇万円かかり、平均〇年飼育するとすれば〇万円、北海道で毎年600-800頭が捕獲され、そのうち許可捕獲が約5-600頭、約〇頭の人材育成捕獲を除けば問題個体への必要な対処であり、生け捕りにするには北海道だけで年間〇億円の資金が必要(飼育施設の大幅な拡充費用は別途必要)。道予算として全体の担保はできないだろう。全国のクマの殺処分頭数等については2011年の衆議院答弁にもある。生け捕りで対処できない数であることは、多くの人が納得するのではないか。
  3. 学習放獣、奥山放獣の効果が薄い点も説明が必要。少し古いが環境省サイトにある。【最新情報があれば私も知りたい】。
  4. 特に市街地での生け捕りの手段が限られていることと危険性についての説明が必要。箱罠にかかれば技術的には可能だったはず。麻酔銃は市街地のクマには使えない(環境省サイトの4頁)。
  5. 動物倫理の観点からの議論も避けるべきではない。National Geographicの記事。しかし、あくまで生け捕りや放獣は現実的に実行可能な方法ではないことが重要。また、なぜ農林業と自然植生への害獣であるシカは捕殺してもよくて農林業と人身被害の害獣であるクマの捕殺はいけないのか(両方いけないというならまだわかる)。自分が食べるための家畜は殺してもよくて,人に危害を加える恐れのある野生獣の殺生はいけないのか。欧米では動物倫理に敏感な学生たちを含め、この四半世紀の間に家畜も食べない菜食主義者が増加している(JTB総研サイト)。彼らなりに一貫しているが、その思想に共感する人だけではないことも理解していただきたい。また、命を奪ったら有効利用すべきという主張は,北海道のエゾシカ管理計画にも反映されている。クマでも多くは実際に自家消費しているだろう(元クマ猟師サイト)。