植物レッドリスト、増加を組み込んだシミュレーション結果

Date: Tue, 9 May 2006 21:35:37 +0900

2)ランクダウンした種の多くは、草本で、なおかつ草原性や湿地性のものが多いです個体数推移表を見ると、減少もしているが、増加したメッシュもある(変動が大きい?)
3)ランクダウンした種のうち、個体数推移表をみて本当にランク外でよいのかと思う種もあった。種A、B、C、D減少率の数値だけを見ると、種A14%、B17%、C80%、D37% ですから、ランク外となるのは素直な判定だと思います。

 (2)は、今まで(2000年のRDB)は変動していたものを、減るほうだけを見ていたためだと思います。前回の判定がリスクの過大評価だったと考えてもよいような気がします。(3)については、個体数の推移を見ると、2段階増加(数十株→数千株など)という情報があって、それが増加率を引き上げている(減少率を過小評価している)ようにも見えます。もし、それも変動の一部ということならば、それでよいのだと思います。しかし、そうではなくて、前回の個体数推定の誤差だとすれば、そうともいえません。

  1. 全体として、前回が過少推定または今回が過大推定というふうに、推定誤差に偏りがあるとすれば、絶滅リスクを過小評価する可能性があるでしょう。
  2. 全体として推定誤差に前回と今回の間に偏りの差がないとしても、ある種では、たまたま今回が過大に推定されたかもしれません。そうすれば、全種では過大評価も過小評価も同程度にあるとしても、個々の種では不当な判定になるかもしれません。

 上記のうちで、特に(2)の可能性はありそうに思います。それは、個々の種ごとに専門家が吟味するしかないでしょう。注意すべき点は、上述の通り、特に2段階増加というような情報があると、増加率をかなり引っ張るということです(もちろん、逆に、減少率を過剰に見てしまう場合もきっとあることでしょう。それは、皆さん余り気にされないかもしれないし、それが問題とは思わないかもしれません)。