Date: Mon, 15 Feb 2010 09:58:05 +0900
【2.14南アルプス市のシンポジウムでは、】現場感覚の欠けた私のつたないパネル討論を支えていただき、有難うございました。
- 高山の生物多様性は、最終氷期以来の1万年の歴史が失われようとしていると思いました。世界遺産登録の進捗より、その対策の進捗が急務です。放置していては、その価値は大きく損なわれると思います。もはや、議論をしている時間のゆとりはわずかではないか
- その鍵はシカにあると思います。温暖化などほかの要因もありますが、すぐに対策を取れる(はずの)ものはシカでしょう。これも、議論する時間のゆとりはわずかでしょう。ほかの場所より対応が遅れているとすれば、失礼ながら、高山生物多様性の価値が地元で認識されていないのではないでしょうか。獲る、柵を作る、最後は(保険の意味も含めて)植物園?に移植して系統を保護するなど、いろいろ考えられるはずです。
- 高山生態系の価値と、麓での地域振興が具体的に関係付けられていません。ハイキングでも名水でもよいから、それが必要だと思います。
- 核心地域と緩衝地帯のゾーニングは、増沢さんの仰るように、流域県単位でよいと思います。野呂川だけなら、核心の周囲を緩衝地帯で囲む必要はなく、下流に設定すればよいでしょう。しかし、南アルプス全体としてどんな絵がかけるかは、改めて教えてください。
- 総じて、BR登録にはまだ準備が必要かもしれません。しかし、登録は通過点です。登録するまでにやるべきこと(保全と利用の調和)を今すぐ始めないといけません。端的に言えば、【高山で保全すべき自然の価値】のお話と、【麓での地域振興】の話が結びついていないように感じました。名取さんが仰ったように、シカの話は議論の段階ではないし、地元のNPOは元気だと言うことですから、そこに可能性を感じます。