絶滅リスク比較の指標

Date: Thu, 23 Aug 2007 09:13:11 +0900
 【平均絶滅(待ち)時間を使う場合、必ずしもすべてのシミュレーションの試行で絶滅しないとき(絶滅確率100%にはならないとき)にはどうするか、平均でなく絶滅待ち時間の中央値を使えばよいのではという質問に対して】Good question だから割引平均余命T*がよいと言うのが私の論文で書いた主張です。それ以外だと、平均絶滅時間Tが無限大になったら、確かに比較できません。Tが無限大でも、T*は有限です。
 中央値を使えば、短期間での絶滅リスクが5割以上ならTの中央値は短期になるが、5割未満ならやはり無限大になります。数学的に一般的でないという意味では、平均値の欠点を克服できていません。
 割引平均余命を用いることの問題は、割引率次第で値が変わることです。岡さんはIUCN基準で100年より先の絶滅を見ていないことから、割引率は1/100年がよいと言っていたと思います。少なくとも、経済的割引率3−5%/yrでは、高すぎて、自然を守ることはできません。