生態系管理

アライグマは外来種問題なのか? への返答

Date: Wed, 1 Jun 2005 12:45:39 +0900 アライグマは外来種問題なのか、在来種にも共通する問題ではないか、在来生態系とは誰がどう定義するものなのでしょうか。外来生物問題は,自然保護の考え方とも密接にリンクするように思われます. 一般論としては「在…

生態系の取組みの10の神話

国連海洋法条約の非公式協議プロセス*1で、Murawski博士が「国連海洋法条約に関する生態系の取組みにおける10の神話」という講演をした。その内容を紹介しよう。以下はすべて誤った認識(Myth=神話)であるという。大変気に入った。 神話1 海洋資源管理にお…

外来種対策

Date: Fri, 2 Jun 2006 06:35:54 +0900 ○○さん お早うございます。 たぶん、心配していただくほど、○○の外来種対策の状況は悪くなく、逆に根絶の実現はやはり現実的ではないのです。 これは想像できますね。数は着実に減っているので、現場も手ごたえを感じ…

外来種対策の目標設定

目標の評価には、その実現性feasibiityが含まれます。まず、目標を達成するには何が必要かを考えるべきだと思います。 罠などで一定の外来種の密度低下が達成されているとしても、その延長に(罠だけで)根絶はないと思います。この点は、ほぼ共通認識だと思…

朝日新聞に梶光一さんの転任紹介

Date: Sat, 27 May 2006 11:09:01 +0900 ○○さん c○○さん 【エゾシカ協会ホーム頁での「世界遺産をシカが喰う」の紹介、】迅速な対応、ありがとうございました。http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/1999/deer.html からエゾシカ協会のサイトを参照させていた…

捕獲数を用いた個体数指数の推定方法

来週から、IWC科学委員会が開かれます。 先週、札幌でエゾシカ保護管理計画の検討会が開催されました。エゾシカも、IWCよりずっと簡便な(道路沿いの)目視調査により個体数指数を毎年出していますが、やはり推定誤差(想定したCV以上の誤差)に悩まされます…

管理モデルにおける環境変動

Date: Sun, 21 May 2006 15:12:33 +0900 ○○さん,まつけんの皆様: 過去の時系列(特に定常状態近くで変動しているもの)からrを推定するのは至難の業です。そして、このrとその変動σが絶滅リスクに大きく関わるというのが、Hakoyama & Iwasaの結果です。彼…

個体数推定は最近年ほど不確実

Date: Wed, 17 May 2006 10:15:50 +0900 ○○さん、皆さん 最近になるほど信頼幅が広がるのは、retrospective(現在までの捕獲数と指数の変化から、過去に遡って計算する)な推定方法の宿命です(生態学会、28日の私の発表聞いてません?) ○○さんの○○の個体数…

北海道のエゾシカ保護管理検討会報告

Date: Sat, 20 May 2006 09:26:56 +0900 (JST) ○○さま 皆様 昨日まで、北海道エゾシカ保護管理計画の検討会がありました。一昨日の指数部会はまとめるのがたいへんでしたが、北海道東部(阿寒個体群)の2004年の個体数指数(1993年を100としたときの相対値:…

5/30屋久島 矢原プロジェクト現地報告会

Date: Wed, 17 May 2006 08:12:09 +0900 みなさま ●報告会チラシ この内容を私のサイトに掲載しました。これを私の屋久島サイトからリンクしました。 お気づきの点はお知らせください。ご活用ください。

風発の鳥衝突問題をめぐる最近の議論

Date: Thu, 27 Apr 2006 14:06:18 +0900 (JST) ○○さん【以下、一部抜粋、改変】*1 「飛ぶ鳥を落とす風車」(週刊金曜日2006年4月号604:40-42)拝見しました。【この記事は】私の基準では不合格ですね。 「(事業者と)保全生物学者との隔たりは大きい」と書…

科研費基盤B 2年目の計画

Date: Wed, 19 Apr 2006 22:40:58 +0900 【研究分担者各位 交付申請書】を更新しました。以下の点【】をご確認ください。【】 生態系管理の順応的制御ルールに関する群集・空間生態学的研究 成果のほうも昨年同様、ご協力宜しくお願い申し上げます。 本年度…

科研費基盤研究企画調査

【科研費分担者各位、関係各位】 おかげさまで、申請した基盤C 企画調査 「生態リスク管理の行政事例研究と管理手法の統合」が内定しました【】。予算は477万円申請のところ330万円ですが、通っただけでありがたいと思っています。 所属が変更された人もいま…

5.24環境省野生生物研修

Date: Mon, 10 Apr 2006 23:24:54 +0900 数理モデル勉強会各位 5・24に環境省野生生物研修(1115-1245航空公園・環境調査研究所)で「獣類調査の方法」について講義します。受講者は県の担当者などです。なぜ私がこの講義を依頼されるのかよくわからない…

ツキノワグマの捕獲が減ることは悪いことなのか?

もう一つ(共同通信) - 3月4日17時40分更新「ツキノワグマ減った? 捕獲3割、憂慮の声も」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060304-00000109-kyodo-soci(全文後述) この共同通信の記事は中身がない。「犯罪者が減った」こと【だけを根拠に警察の機能…

シカ論争と予防原則

Date: Wed, 22 Feb 2006 16:58:40 +0900 ○○様 c○○様 了解しました。○○さんの主張も手元にありますので、○○さんの主張を拝読後、私の見解を寄せたいと思います。○○さんは、以前も放置した場合に何が起こるかについて懐疑的だったと思います。この議論は大切…

シカ研究者の責任

Date: Fri, 3 Feb 2006 17:15:35 +0900 皆さん 「>」は○○さん、 「☆」は松田の意見です。 【各地のシカ問題では捕獲などの管理の必要性が早くから指摘されていながら、問題が大きくなるまで小田原評定を続けてきた。それはある研究者が自らの自然思想に基づ…

外来種根絶のコスト

Date: Thu, 9 Feb 2006 15:33:21 +0900 ○○様 ○○先生 ご無沙汰しています。 今、私のPD(経済)が外来生物駆除の費用対効果を考慮した研究をしています。そこで、外来種が減るほど駆除に費用がかかるという前提を支持する文献を探しています。 添付の論文にも…

鳥獣保護事業基本計画の見直しについて

Date: Sun, 5 Feb 2006 20:14:38 +1200 ○○様 今日、ある人に聞いたのですが、環境省が鳥獣保護事業5ヵ年計画の改訂を1年延ばしにしようとしているというのは本当でしょうか。 私が言わなくても釈迦に説法だとは存じますが、環境省がこのような定期見直しを遅…

自然再生事業へのレヴュー(石西礁湖の場合)

Date: Sat, 28 Jan 2006 12:31:27 +1200 ○○さん、 さて、自然再生事業レヴューに石西礁湖を当てはめたものを書いてみました。【】たいへんよく指針をフォローしていただいていると思います。ありがとうございます。【】 これを全部満たせるような事業は、私…

神奈川県シカ管理計画について

Date: Thu, 27 Oct 2005 11:57:16 +0900 神奈川県の保護管理計画では、毎年、モニタリングデータに基づいて年次事業実施計画を策定することとなっています。 早速ありがとうございました。 2000年の特定計画では猟区以外のメスの狩猟は禁止されたままのよう…

大台ケ原のパンフレット

Date: Fri, 20 Jan 2006 14:48:57 +1200 ○○さん、 大台ケ原○○さん(お久しぶり) ○○さん、大台ケ原のパンフレットに載っている正木峠の写真ですが、2004年のは少しアングルが違うのではないですか?ズームや足場を駆使して、同じアングルで取ることができな…

防鹿柵の目的

Date: Wed, 18 Jan 2006 08:51:15 +0900 ○○さま 皆様 松田裕之です。 下記の○○さんのご意見ありがとうございます。 囲い柵を作る場合は目的を明確にすべきです。 ・植生回復の実験(シカの食害がなければ植生は回復する。植生破壊はシカによって生じていると…

徳山ダム営巣クマタカ個体へのGPS装着のお願い

Date: Sat, 24 Dec 2005 12:19:58 +1200 徳山ダムの事務所の方を交えて、ダム水源池環境整備センター(WEC)から依頼された希少猛禽類生態研究委員会の会合を○○委員、○○委員、○○委員、松田が集まって12月23日に大垣で行いました。豪雪のため現地視察はで…